行政書士試験に独学1ヶ月で合格した勉強法・おすすめテキスト

勉強

今回は、働きながら行政書士試験に1ヶ月で合格した方法や、おすすめのテキストや使い方、本番についてまとめています。

行政書士に短期合格するためには、努力も大切ですが、それだけではダメで、正しい方向を向いて努力をする必要があります。時間が無限にあればいいのですが、限られた時間の中で、基本書を読み込むような試験に関係ない努力をしてしまうと、かえって試験合格から遠ざかってしまいます。

是非、参考にしていただいて、少しでも皆様の合格の手助けになればと考えています。

目次

働きながら行政書士試験に合格した勉強法

行政書士試験に必要な勉強時間

私が行政書士試験合格までに勉強した期間は1ヶ月で、約4週間になります。

1週目・2週目は行き帰りの電車の中や帰宅後に平均2時間程、3週目・4週目は有給休暇も絡めて平均5時間ほど勉強しました。合計勉強時間としては、約100時間ということになります。大手予備校では、独学での行政書士試験合格には1000時間必要とも言われているので、その十分の一と比較的短い時間での合格ではないかと思います。

予備校の広告などでは、独学よりも予備校に通った方が効率的などと言われていますが、予備校の場合は講義時間だけでも200-300時間かかったりもしますし、独学の方が合格に向けて効率的に学習が出来ると思います。

以下では、1ヶ月で行政書士試験に合格した勉強法を紹介していきます。

行政書士試験のおすすめテキスト

好みで類似のテキストを利用してもいいですが、必要なのは下記の4種類だけです。他のものに手を出しても費用対効果としてはかなり低く、時間の無駄だと思います。

基本書等の通読は、試験合格のためにはほとんど役に立ちませんので、必要ないです。ただ、辞書的に利用するために購入してもいいかもしれません。

実は、私も予備校の参考書は買っていましたが、結局開いたのは2、3回程度でほとんど使いませんでした。Googleで検索すれば必要最低限の情報は手に入りますし、効率も良かったです。

 

過去問題集

過去問題集は肢別の一問一答形式テキストを利用しました。過去問の選択肢ごとに○×を選ぶもので、一問ずつテンポよく進めるのと、隙間時間で問題を進めやすいのでおすすめです。

もしも時間に余裕があって、勉強も家でまとまった時間が取れるような方であれば、肢別のものではなく本番と同じように選択肢を選ぶ形式の方が効果は高いです。ただ、隙間時間でできることと、1周にかかる時間を短縮するためにも、肢別問題集をおすすめします。

このテキストが行政書士試験合格のためには最も重要な役割を持っています。これだけでも合格圏内には入れると思います。使い方については下の勉強法の所で説明します。

予想問題集(千問ノック)

行政書士試験では、過去問以外からの出題もされるので、過去問に出でいない重要事項にも対応できるようにしておくために予想問題集もやっておくと役に立ちます。予想問題集は千問ノックがおすすめです。

過去問が重要ですし、民法は問題が短くて少し分かりにくかったりもするので、1つ上で紹介した過去問の肢別問題集を3周終わらせてからこちらにとりかかりましょう。

この千問ノックと、過去問が試験対策の大部分を占めます。

市販模試

過去問や予想問題が実際の問題形式ではなく、肢別の問題集になっているので市販模試で本番の形式に慣れておく必要があります。

点数はあまり気にする必要はありませんが、時間を測って本番の流れに慣れておくことは大事です。どこの市販模試でも、本番の流れは十分わかるので女店に在庫があるもので十分です。個人的には、Wセミナーの市販模試を利用して、十分満足できる内容でした。

点数で悲観したり、油断したりすることが無いようにだけ気を付けましょう。

記述式対策・多肢選択式対策

記述式や多肢選択式の対策は、択一式の対策の延長にあるものなので、上の過去問題集や予想問題集を繰り返し学習した後で十分です。

記述式の部分だけやるのでも十分だと思います。記述式は全然わからなくても、なにかしら答案を思い浮かべたり、書いてから答え合わせをするようにしましょう。

記述式は問題集などから、本番で同じ問題が出ることは無い可能性が高いので、部分点を取れるよう自分で記述する練習をしましょう。

テキストの使い方

実施した勉強法の根拠には論文や実験結果などがあり、詳しくは下で紹介しています。ここでは実際の勉強法を紹介していきたいと思います。科学的に効率がよくても、実際の環境では難しいこともあるので、私なりに行政書士試験に短期合格するため、現実的な勉強法に落とし込んでいます。

基本的な考え方としては、分散学習とアウトプットを重視した勉強法です。分散学習、同じ分野を繰り返しやって1つ1つできるようにするのではなく、全体を通して学習して、1つの学習を繰り返す期間を空ける学習法です。分散学習の方が、記憶に定着することが実験でも証明されています。

また、小テストを用いて学習をした方が記憶の定着がいいことも実験で分かっており、そのことから行政書士試験でも一問一答など問題形式の問題集が効果的です。畳の上で泳ぎの練習をしても効果は低く、水の中で泳いでみなければ泳げるようにならないのと同じです。

過去問題集の使い方

この問題集を何周できるかが合格率に直結します。

1周目は何がなんだか全然分からないと思いますが、それでもどんどん進めて下さい。色々調べたい気持ちに駆られると思いますが、ここで時間を取りすぎてしまうと効率が悪いので少し調べてわからないものは放置してしまって問題ありません。何度もやっているうちに他の問題との関連でわかってくるものもあります。1日2時間やるとして、調べる時間も含めて1問平均30秒でどんどん進めましょう。1日200問以上は進めます。

2周目は間違った所だけやりましょう。○×なので半分は正解しているはずですので、1周目の半分以下の時間でできるはずです。

3周目は1周目と同じように全問題を解きましょう。3周目くらいからある程度全体像が分かってくると思いますし、こなすスピードがどんどんスピードアップしていくはずです。ただ、まだ頭に入ってるとか、わかる、というレベルまでは達していないはずです。

4周目以降は全問題に○が3個以上つくことを目標に回して行きます。3周目が完了したら予想問題集と平行して進めていきます。4周を越えて、何周もしていると、どこかで全体像が分かるようになってきます。

時間があれば、全て5回○がつくことが理想です。5回○が付いた問題はもうやる必要はありません。

予想問題集の使い方

予想問題集も、肢別の過去問題集と同じように回していきます。民法で特に顕著ですが、問題や解説が短いので何周もするには効率がいいです。短い代わりに、専門用語が増えるので1周目や2周目はすこし難しく感じると思います。しかし、それを少し調べながら進めるによって知識がまとまってくる効果があります。

これも全問題に○が3つ以上つくまで繰り返し回していきましょう。これも、○がすべて5つ付くのが理想です。

過去問題集(肢別問題集)と予想問題集(千問ノック)を何周もして完璧にすれば、これだけで十分合格できます。

市販模試の使い方

過去問題集と予想問題集では実際に問題を解く練習が出来ませんので、市販模試で練習します。過去問題集も2周した時点で1度解いてみるといいと思います。点数は合格点に全然届かないと思いますが、苦手な所を意識したり、一般知識でどれくらいの得点が見込めるのかが分かりますので、今後の方針が立てやすくなります。

1回目の結果を見て、本番の試験でどこで何点取るかの目標を立てましょう。合格へのイメージがすこし湧いてくると思います。

点数自体はほとんど気にすることもありませんし、見直しもそこまで神経質になる必要はありません。あくまでも、問題を解くのと時間配分の練習が主なで、他は得点配分の目安を図る程度の目的です。私も市販模試は解いて軽く答え合わせをしたのみです。

市販模試より、過去問題集や予想問題集に時間をかけましょう。ただし、市販模試で時間配分に問題がある場合には、問題を解く練習が必要ですので、市販模試をいくつかやって時間内にできるようにしましょう。普段から、一問一答をスピード感をもってこなしていくことも大切になります。

記述式対策・多肢選択式対策本の使い方

これは、過去問題集・予想問題集・市販模試が終わって(過去問題集と予想問題集は全問○3つ以上)、まだ余裕がある場合にやります。まだ過去問題集と予想問題集に○が5つついていなければ、それと並行しながらやりましょう。

記述の問題を実際に書いて、答え合わせをする、ということを2周繰り返せば十分です。多肢選択式は苦手意識があればやっておく程度で十分です。私は多肢選択式はやらず、記述式のみをやりました。

こんな解答でいいのかという問題もたまにあるので、実際に書いてみることが大事です。ただ、記述式は採点の厳しさも年度ごとに変化するなど得点を計算できませんので、あまり対策に時間をかけすぎないようにしましょう。

試験までの実際のスケジュール

行政書士試験に働きながら1ヶ月で合格した実際のスケジュールを表にまとめました。

4週間で組んでいるので1ヶ月でしたらもう少し余裕があります。時間がもっと取れる方はこの内容をより完璧にすれば合格確率が更に高まります。

時間があるからといって他の教科書など、いろいろな教材に浮気を始めると泥沼にはまって、逆に合格から遠のいてしまいますので気をつけましょう。

勉強時間学習内容
1週目14時間過去問題集200問×7(14時間)

まず過去問題集を1周終わらせます

2週目14時間過去問題集の2周目(6時間)

予想問題集の1周目(8時間)

3週目35時間予想問題集の残り(2時間)

市販模試(4時間)

過去問題集の3周目(12時間)

予想問題集の2周目(4時間)

予想問題集3周目(9時間)

市販模試(4時間)

4週目35時間

ここは個人差があるとおもいます。

過去問題集と予想問題集を5周目まで終わらせます。

ここでタイムアップであればここまででも十分です。

少し余裕があったので記述式対策も解きました。

 

 

行政書士試験当日のポイント

 

試験中

マークシート試験は行政書士試験に限らず、大学入試・高校入試・中学入試などであったり、司法試験、行政書士試験、社労士試験など様々な資格試験で採用されており、誰もが体験する試験形式だと思います。私も入試や、様々な資格試験でマークシートを体験してきましたので、これまでの経験からマークシート試験におすすめの鉛筆を紹介したいと思います。

受験中に不要なストレスを感じ、集中を切らしてしまうなんてことを起こさないようにためにも、マークシート用鉛筆にはこだわりましょう。

マークシートでおすすめの鉛筆

マークシートでは鉛筆を使うべき

まずは、そもそもマークシート試験で鉛筆は必要なのでしょうか。今では、普段ノートを書くときにはシャーペンやボールペンを使用される方がほとんどだと思います。

経験上、シャープペンは通常の0.5mmのものはもちろんとして、マークシート用でも比較的芯が細く感じますし、芯の残りが目に見えなかったり、芯が詰まるおそれがあるなどデメリットを感じます。やはり、時間をかけずに安心してマークを塗りつぶせるのは鉛筆ですので、そもそもマークシート試験には鉛筆を使うべきです。

また、機械は炭素に反応して採点しているのですが、シャープペンシルと鉛筆の芯の成分は異なります。シャープペンシルの芯にも鉛筆の芯と同じ様に黒鉛が含まれていますが、細いシャーペンの芯で折れずに、しっかりと書くために、黒鉛以外の成分も多く入っていて色は黒くても、黒鉛の成分は薄い場合もありますので注意が必要です。この点も含めて、やはりマークシートは鉛筆で塗るべきです。

シャープペンシルを使用してマークした場合には,解答が読み取れないことがありますので,使用しないでください。ただし,メモや計算に限ってはシャープペンシル(黒い芯に限る。)を使用しても差し支えありません。

大学入試センター

鉛筆の濃さはHB

基本的にマーク試験では鉛筆の濃さが指定されており、一般的にはH、F、HBまたはBの鉛筆となっています。大学入試センターでは、H、F、HBの鉛筆、TOEICや司法書士試験であればHBのみ、司法試験や行政書士試験ではHB、Bの鉛筆が利用できることになっています。では、鉛筆の濃さはどれを選ぶのがよいのでしょうか。

鉛筆の濃さはHはハードのH、BはブラックのBで、Bの方が黒鉛が多く黒が濃く、Hの方が黒鉛が薄い代わりに芯が固くなります。

マークシートは目で見える黒さではなく、黒鉛の濃度でマークを判別しているため2Hや3Hなど薄すぎる鉛筆だとマークを認識できないことがあります。それよりも濃いHやFであれば通常認識されますが、芯が固く、マークした部分に窪みが出来て跡が残ってしまうため、エラーの原因になることがあります。

また、2BやBの鉛筆ですと、黒鉛が濃すぎることで消しきれずに残ってしまうことがあり、複数マークの認識がされてしまう恐れがあります。

そのため、鉛筆の濃さはHBがおすすめです。上で例に挙げたテストでもすべてHBであれば対応できるので、その点でもHBの鉛筆が最適でしょう。

鉛筆の軸は三角軸

鉛筆の軸には、丸軸、六角軸、五角軸、四角軸、三角軸などさまざまなものがありますが、どれが最適なのでしょうか。

丸軸鉛筆は転がっていってしまうため、試験には不向きです。また、方向を変えて書けることは芯をとがらせるためには有効ですが、マークシートでは逆にデメリットになってしまいます。そのため、丸軸鉛筆は不採用です。

六角軸の鉛筆は一番スタンダードで、書きやすさには問題ありません。ただ、六角鉛筆は丸軸鉛筆程ではありませんが、転がりやすくテスト会場によっては使いづらい場合もありますので避けた方がいいと考えています。

五角軸の鉛筆は、「ごかく」→「ごうかく」の縁起担ぎで神社など様々な場で販売されていますが、濃さが明記されていないこともありますし、中の芯の質に不安が残ります。そもそも五角軸の鉛筆があまり販売されていないのは書きやすさで劣るからで、実際に使っていると指が痛くなったり、指が疲れてきます。お守り代わりに持っていく程度にして、実際のマークは他の鉛筆を利用しましょう。

四角軸はあまりみないと思いますが、五角軸と同様書きにくいので不採用です。

三角軸はまず転がることがほとんどなく安定しており、まず安心できます。三角軸の鉛筆はかきかた鉛筆で広く使われている形状なだけあって、書きやすさも問題ありませんし、むしろ六角軸より手に収まる安定感があり書きやすいです。

また、太軸の方が疲れにくいので、なるべく太軸の鉛筆を利用しましょう。

おすすめの鉛筆、レビュー

以上のことから、マークシートにはHBの太くて三角軸の鉛筆がおすすめですが、実際にどの鉛筆がおすすめかを紹介します。

おすすめはステッドラーの三角鉛筆で、これは3本の指が最も無理のない位置に来るよう設計されている鉛筆で、太軸なこともあって長時間のマークでも疲れにくいです。

私も、行政書士試験やセンター試験、TOEICなど、この鉛筆でテストを受けました。実際に転がることもなく、手に余計な負担もなく試験に集中することが出来ました。この鉛筆を使って頂き、皆様のテストが上手くいくことを祈っています。

テスト本番で緊張しない方法

プレッシャーで頭の中が真っ白になっているときというのは、「失敗したらどうしよう」などの不安が脳のワーキングメモリをいっぱいにしてしまうことが原因であることが分かっています。

ワーキングメモリとは

ワーキングメモリは、日本語では作業記憶や作動記憶などと呼ばれるもので、少しの間だけ脳の中で情報を覚えておき、それらを同時に処理する際に用いられる能力になります。
私たちが考えるときも動くときも基本的な役割を果たしてくれる能力ですが、ワーキングメモリは複雑な短期記憶システムでもあり、論理的思考や複雑な計算などにも使われます。

ワーキングメモリにはこのような力があるので、本番のテストでこの機能が停止してしまうと大変ですよね。
ワーキングメモリを強化するには、「姿勢をよくするように心がける」などすると効果があることは分かっています。しかし、Sianら(2005)の実験で、本番のプレッシャーに対する耐性はワーキングメモリの処理能力に関係ないどころか、ワーキングメモリの処理能力が高いほどパフォーマンスが下がってしまうことが分かっています。

本番でワーキングメモリを整理する方法

ワーキングメモリを整理するためのテスト中にもできる方法があります。つまり、必要なのは紙とペンだけです。

その方法とは、今頭の中に引っかかっている不安を「すべて書き出す」ことです。
誰が見るわけでもないので、深く考えずに自身の頭の中にある不安を紙にガリガリ書いてみてください。

そもそも「紙に書く」こと自体にストレス解消やリラックス効果があるので、とりあえず書いてみましょう。これは前日の夜でも、テスト当日でもいつでも使える方法です。
すると、頭の中に中でひっかかってワーキングメモリを占領している不安を外に追い出すことができ、テストに集中できるようになります。

行政書士試験対策のおすすめ講座・予備校

行政書士試験に向けて一番大切なことは問題を解くことですので、予備校、塾などは基本的におすすめではありません。

ただ、試験までにある程度の余裕がある場合には、問題を解くハードルをさげて、問題集を周回するスピードを上げるために、授業を受けることにも一定の効果はあります。そこでおすすめなのが、行政書士 通勤講座です。スマホで動画視聴するタイプであり、再生速度も変更できるので効率がよいです。価格も3万円台と比較的安いので、苦手なところのみを見るような使い方でも十分元はとれると思います。何十万もするような予備校は必要ありません。

あくまでも、問題をスムーズに解くための準備が目的ですので、一問一答などはしっかりと何度も解く必要はありますので、講座のみで満足しないように注意してください。

 勉強法についての実験・根拠

データ

ここからは具体的な方法ではなくて、上のような勉強方法をした根拠になります。私は時間などの制約もあって、行政書士試験に向けて上で紹介したような勉強法をしましたが、人それぞれ条件は異なると思うので、ここで紹介する実験結果も踏まえて自分なりの勉強方法で学習を進めていくとより良いと思います。

集中学習と分散学習とは?

学習には2種類の方法があり、それは「集中学習」と「分散学習」です。

それぞれ、ざっくり説明をすると、

集中学習→理解してすぐに同じかよく似た課題の学習を何度も続けて行う
分散学習→最初に理解してから時間間隔を空けて復習する
と、このようになります。

どちらがより効果的だとおもいますか?
この答えはもう科学的に出ていて、そのことを具体的な実験を紹介しながら説明していきますね。

エピングハウスの忘却曲線から始まる分散学習効果の証明

集中学習するよりも分散学習をすると、効率が良く、テストで思い出しやすいことは研究でも広く認められており、この効果を分散効果と言います。
この分散効果の存在は非常に古くから知られており、最初に実験で証明されたのはエピングハウスのランダムな文字列を記憶させる実験です(Ebbinghaus,1913)。この結果はエピングハウスの忘却曲線として広く知られています。
これ以来、分散効果については、単語の暗記をはじめ様々な分野で確認されており、しかもその効果は高く、長期記憶化するとされています。

例えば、

  • 単語(Glenberg&Lehmann,1980、Kornel, 2009、Karpickeら2008)
  • テキスト(Glover&Corkill, 1987)
  • 足し算(Ruch, 1928)
  • 数学の公式(Gay, 1973)
  • 理科の専門用語の意味(Reynolds&Glaser, 1964)

などの幅広い科目・学習内容において、幅広く認められています。
分散学習による、分散効果がすでにここまで古くから証明されているのに対して、実際の教育現場では、多くの生徒や教師に分散学習の有効性が認識されておらず、集中学習の方が有効だと考えられています。

Zechmeister&Shaughnessy(1980)は、生徒は、分散学習よりも集中学習の方が効果的だと信じているという調査結果を報告しており、あとで紹介する実験でも集中学習をしたグループのほうが有効だと錯覚していました。

また、Rothkoph(1963)は、学習方法についてのプロであるはずの教師ですら、分散して繰り返し説明している教科書よりも、集中して繰り返し説明が載っている教科書の方が効果的だと評価してしまうという結果を報告しています。

ここからはもう少し新しい実験を具体的に見ていきます。

【実験】集中学習は長期記憶のために有効ではない

Rohrerら(2005)は、学生130名を下記の2つのグループに分けて、国名と都市(Japan-Tokyoなど)の組み合わせを覚える学習をさせました。

  • グループ1:通常の集中学習をする
  • グループ2:4倍の時間の集中学習を行う

1週間後に再テストすると、予想通り4倍勉強した②のグループが1.8倍程のスコアを残していたのに対して、3週間後に再テストを行うと、驚くことに、2つのグループのスコアにほぼ差はありませんでした。

したがって、集中学習には限界があり、長期記憶にするためには集中学習は有効ではありません。
受験や資格試験では長期記憶にする必要があるので、集中学習では効果的ではないことになります。

ではどのような学習方法が有効なのでしょうか?

ここでヒントになるのが英単語の暗記カードを覚える実験です。

【実験】記憶の定着には分散学習が効果的

Kornel(2009)の学生を2つのグループに分けた実験で、それぞれ

  • グループ1:20枚のカードを2回繰り返すことを4日間行う
  • グループ2:5枚のカードを8回繰り返すことを4日間行う

とし、6日目に単語テストと、テストの前に点数予想のアンケートを行いました。どちらのグループも1日に見る暗記カードの枚数は変わらず、勉強量に差はありません。

結果はどうなったでしょうか?

テスト前のアンケートでは、グループ2の方が良いスコアをとれる自信を持っていました。

しかし、実際の結果では、グループ1のスコアはグループ2の約2倍でした。感覚的にもグループ2のようにコツコツ覚えていく勉強法がよりよいようにも思えますが、実際は一度に多くの単語を学習すると効率がいいのです。つまり、全単語を一定期間おいて覚える分散学習をすることで、1つ1つのカードに出会う間隔を長くなるようにすることが英単語を暗記するのに有効だということになります。

しかし、多くの人がこの学習方法を実行できない理由としては、直感的には集中学習の効果が高いように見えてしまうことが問題です。皆さんは実験結果をみて分散効果の有効性を知ったと思いますので分散学習を試してみてください。

しかし、行政書士試験のように、学習・復習をしなければならない範囲が広い場合はテスト前日ににすべての範囲を復習することは不可能です。

では、効率的に復習をするために、どのような計画を立てるとよいのでしょうか?

この疑問に答えてくれる実験があります。次に紹介するのはアメリカの研究グループ(Vulら)が2008年に発表した実験です。

【実験】復習はいつすればいいのか? -5:1の法則-

Vulら(2008)の実験で、学習からテストまでの期間と、学習から復習までの期間の組み合わせを、実験参加者1354名に試しスコアを調査しました。

結果としては、学習してすぐに復習する集中学習は効果がなく、最も効果的だったのは2つの期間の比率が5:1のときでした。例えば、60日後が試験であれば12日後に復習するといいことになります。ただ、これは多少前後しても効果はほとんど変わらなかったためある程度の目安程度でいいと思われます。先程の例であれば8~14日後に復習するといいでしょう。

 

テストを受けるだけで学力が上がる

【実験】間違えた問題のみ復習し、再テストは全問題

これはKarpickeら(2008)の実験で、実験者を4つのグループに分けてスワヒリ語の学習をまずし、その後小テストと見るだけの復習を行い、最終テストの結果と総勉強時間を調査しました。

  • グループ1:小テスト後、全単語を復習し再テストを行う
  • グループ2:小テスト後、間違えた単語のみ復習し、全単語再テストする
  • グループ3:小テスト後、全単語の復習を行うが、間違えた単語のみ再テストする
  • グループ4:小テスト後、間違った単語のみ復習と再テストを行う

間違った単語は復習しないと点数は伸びないので、どのグループも少なくとも、間違った単語のみの復習と再テストは行っています。

復習するならテストの方が効果的

グループ1と2を比べてみると勉強時間は差があるにもかかわらずスコアは同じになりました。テスト量が同じであればスコアは変わらず正解している問題の復習はほとんど効果がないことがわかります。

また、グループ2とグループ3を比較すると、グループ2とほぼ同じくらい勉強時間がかかっているがテストを間違えた問題しかしていないグループ3は、グループ2の約2分の1のスコアしか取れませんでした。つまり、見るだけの復習よりも小テストに労力を費やす方が、同じ時間だけ勉強する場合よりも成果が出るのです。

教科書や参考書などを読みインプットするだけではほとんど効果がなく、小テストを利用して自分でアウトプットをする復習方法こそが、最も効率的で点数に結びつく方法なのです。

グループ4に関してはよく効率的な勉強として紹介されているのをみますが、たしかに勉強時間はかかりませんが、その分点数も伸びない勉強法で、科学的には効率の悪い勉強法ということが分かっています。

一問一答や、問題集の効率のいい学習法

小テストに近い教材として、一問一答や、選択式の問題集があります。いままでの実験結果からしても、これらの教材は効率がいいものですから、この使い方を例としてあげます。 普通の受験生は、この1周目に多くの時間をかけてしまいますが、ここで時間をかけてはいけません。一つ一つ問題を解き、毎回正解不正解を確認し、全ての解説を読むから時間がかかってしまうのです。

数ページの問題を、時間を決めて全部解いてから答え合わせするとずいぶん早く終わります。終わったら正誤のチェックをします。正解している問題は今の感覚で答えを出せるので、試験でその問題が出た場合も、すでに正解できる可能性が十分あるので解説を見る必要はありません。間違えた問題の解説は100%効果のある勉強なので解説を見ておきます。

【実験】数ページを一気にやるべき

Pycら(2009)の129名にスワヒリ語の暗記をさせる実験で、再度単語を復習するときの間隔が6分と1分の場合を比較しました。

実験の結果は、小テストの間隔が6分の方が最終テストの結果がよいことがわかり成績が6割程度であったのに対し、小テストの間隔が1分のときは、なんと、最終テストはほぼ0点になってしまいました。

勉強方法の条件が同じでも、小テストの間隔が1分と6分という違いのみで、最終的な結果は大違いです。さらに、小テストで5回程度正解すれば、それ以上小テストをしても、ほとんど効果がないことも判明しました。

そのため、数ページの時間を決めてまとめてやると、再度見直すまでの時間がより開くので効果的だといえます。

1ページあたりの量は問題集によってまちまちだとは思うのですが、数ページの問題を解いて、解答20分・解説読み5分程度の比率がちょうどいいです。この合計25分(20+5)という時間はポモドーロテクニックに基づいている時間です。

ポモドーロテクニックとは

ポモドーロテクニックとは、1992年にFrancesco Cirilloが考案した集中術で、やり方は非常に簡単です。

「25分集中して5分休憩」を1セットとします。4セット勉強したら、1度15分程度の長めの休憩を取ります。これをひたすら繰り返すのが、ポモドーロテクニックです。

集中力が25分程度しかもたないことは、アメリカの心理学者であるライリーが証明しており、25分以上続けて本を読んでも、本の内容があまり記憶に残らないことが分かっています。

 

1冊にしっかり時間をかける

「1冊だけやっても全然足りないよ」なんて言うような人は、その1冊をしっかり習得出来ていません。長期記憶にするためには分散学習が効果であり、分散学習は間をあける必要があるため時間がかかるからです。

「これだけで足りますか?」みたいな質問は、実際にその1冊をやりきってからするようにしましょう。そうすれば、そんな質問が無駄だということが実感できます。

実際は、試験までにできることは限られており、色々な教材に手を出しまくっている余裕など、本当は全くないのです。

ですので、1冊をしっかり分散学習してください。

ちなみに、もし答えが別冊の問題集であれば、ページをバラバラにしてしまうとよりよい分散学習が出来ます。年度別の過去問や、模擬試験などは最初から問題がある程度ばらばらに並んでいるので、その点でも効果的だといえます。

これは、テストの経験を積むという点でも、分散学習という点でも1回分全て解いてから答え合わせをすると効果的です。これはここまで読んでいる皆さんにはもう分かっていただいていると思いますが、より直接的な実験があるので紹介したいと思います。

【実験】過去問の答え合わせは少ししてから

72名のアメリカ人学生は歴史に関する多肢選択式のテストをして、このテストのその答え合わせの仕方や、小テストをやるかやらないかの違いにより、4グループに分けられました。

  • グループ1: テストなし
  • グループ2: テストあり、答え合わせなし
  • グループ3: テストを1問ごとに、答え合わせ
  • グループ4: テスト後、まとめて答え合わせ

すると結果は下表2のようになりました(Butler& Roediger, 2008)。

グループ2は答え合わせをしていないのにもかかわらず、グループ1の3倍ほどの得点を取っています。驚くべきことに、テスト効果は答え合わせなしでも効果を発揮しています。
また、グループ3とグループ4を比較すると、1問ごとの答え合わせよりも、まとめて問題を解いてから答え合わせをするとより効果があることがわかります。

また、Metcalfeら(2009)の、テストが終わってからの答え合わせのタイミングについての実験によると、最終テストの結果が「すぐに答え合わせした」グループよりも、「あとで答え合わせをしたグループ」が高くなりました。ですので、過去問を解き終わって疲れたらしっかり休んだほうがいいことがわかります。

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